@shipwithjay のポスト (2026-05-12)
これって何?
これは、海外の個人開発者が「20個の小さなアプリを一人で作って、4月に合計394,820ドル売れた」と投稿していた話だ。Claude Code (= AnthropicのClaudeをターミナル上で使い、コード生成や修正を任せられる開発支援ツール) をかなり使っていて、Next.js (= Webアプリを作るためのReact系フレームワーク)、Supabase (= データベースやログイン機能をまとめて使える開発基盤)、Stripe (= クレジットカード決済を組み込むサービス)、PostHog (= ユーザー行動を分析するツール) あたりで作っているらしい。
やっていることは、巨大な一発勝負ではなく、短期間で小さいアプリを何本も出して、当たったものを残す方式に近い。上位5本は月19,000〜31,000ドル、下位5本の合計でも11,000ドルと書かれている。ただし、Stripe画面や第三者検証は見当たらず、売上は自己申告として読むべきだと思う。
面白いのは数字そのものより、4日で出す工程だ。初日に顧客15人へ話を聞き、2日目にDB設計・ログイン・決済・基本導線を作り、3日目に20人へ試してもらい、4日目に修正して公開する。自分も小さいツールを作る時、最初に画面から作って詰まったことがあるので、この「先に顧客の痛みを聞く」順番はかなり刺さる。
ターゲットは誰か?
想定顧客は明記されていない。ただ、この作り方が向いているのは、月20〜100ドル程度なら業務改善ツールに払える小規模事業者や個人事業主だと思う。たとえば、予約管理、見積もり作成、営業リスト整理、広告レポート整形など、毎週同じ作業に数時間取られている人たち。
彼らが買う理由は、汎用ツールを自分で組み合わせるより、最初から自分の業務に寄った画面で使えるほうが早いからだ。高機能SaaSほど予算はないが、手作業の時間はもう削りたい層が狙い目になる。
自分にできそうか
この事例からの学び
再現できそうなのは、機能の派手さではなく「小さく聞いて、小さく作って、小さく売る」を高速で回す設計だ。AI開発ツールを使うほど、作る前の顧客ヒアリングの価値が上がる。
自分にそのままできるかと言われると、20本同時運用は正直きつい。Claude CodeやCursorは触ったことがあるが、毎日レビューしながら本番運用まで抱えるには、設計力と体力が要る。特に課金まわりとユーザーデータを扱う部分は、雑に作るとすぐ怖くなる。
ただ、1本目の小さな業務アプリなら現実味はある。自分なら「4日で公開」は無理に真似せず、2週間くらいで顧客ヒアリング、試作、決済導入まで持っていく。英語圏の投稿を読む時も細部は翻訳に頼っているので、向こうの市場感を丸ごと信じるより、日本の小さい業務に置き換えて考えたほうが自分には合っている。
再現性をチェック
機材コスト
かなり低めに始められる。Claude Codeの利用料、VercelやSupabaseの無料〜低額枠、Stripe、PostHogあたりで、初期は月3,000〜15,000円程度でも試せるはず。売上が出るまでは高いインフラより、課金導線と顧客対応に時間を使うほうがよさそうだ。ただし、20本運用するなら監視、メール配信、ログ、ドメイン代が積み上がる。
知識ハードル
Next.js、Supabase、Stripeの基本は必要になる。全部を手で書けなくても、Claude Codeに「ログイン付きのミニSaaSを作る」「Stripeの月額課金を入れる」と分解して頼めば、実装の入口には立てると思う。GitHubにも似た構成のスターターは多い。ただ、出てきたコードを読めないまま本番に出すのは危ない。投稿者も毎回diffを見ているらしいので、そこは軽く見ないほうがいい。
身近さ
ここが一番の差になる。海外の個人開発者が15人に顧客ヒアリングできる環境を持っていたとして、自分に同じ数の見込み客がいるかは別問題だ。日本で再現するなら、知人の事業者、過去の仕事先、Xで同じ業務に困っていそうな人に絞って聞く必要がある。営業なしで作って待つだけだと、たぶんほぼ売れない。
自分ならどう作るか
自分なら、まずClaude CodeでNext.js + Supabase + Stripeの最小構成を作る。Cursorはコード全体の読み直しや細かい修正に使い、LovableやBoltは管理画面のたたき台を早く作る時に試す。最初の題材は、抽象的なAIツールではなく「小規模制作会社向けの請求前チェックリスト」「整体院向けの口コミ返信管理」みたいに、誰が毎週使うか見えるものにする。
費用は、Claude Codeや関連AIツールで月3,000〜6,000円、SupabaseとVercelは無料枠から、ドメインで年2,000円前後、PostHogも最初は無料枠。合計で月1万円以内を目標にする。
最初にやるのは実装ではなく、10人に「今その作業を何でやっているか」「月いくらなら払うか」を聞くこと。アイデアが命というより、聞いた痛みを小さい画面に落として、ちゃんと課金まで通す運用力が命だと思う。