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ニュース解説

AI is slowing down — 個人開発者は“遅くなるAI”をどう見るべきか

AIの性能向上が鈍っている、という長文論考。個人開発者にとっては悲観だけでなく、過剰投資を避けるための現実確認にもなる。

AI is slowing down — 個人開発者は“遅くなるAI”をどう見るべきか

2026年6月8日に出た「AI is slowing down」は、大手AIラボの新機能発表ではなく、AIブーム全体の速度低下を論じる長文記事だ。モデル性能、投資、開発現場の生産性が、宣伝ほど一直線には伸びていないという見方をまとめている。

自分みたいに、Claude Code (= AnthropicのClaudeを使ってコード作業を進める開発支援ツール) やCursor (= エディタ上でAIにコードを書かせる開発環境) を触りながら個人で何か作ろうとしている人には、かなり刺さる話だった。AIが全部を高速化する前提で予定を組むと、普通に外す。

この記事の主張は強めだが、個人側では「AIは終わり」ではなく「AIに期待しすぎた設計を直す」話として読むほうが使える。特に、副業で小さいプロダクトを作る人ほど、道具の限界を先に知っておいたほうが損が少ない。

  • 一次ソース: https://www.wheresyoured.at/ai-is-slowing-down/

この記事をわかりやすく

この記事をわかりやすく

今回の記事は、AI (= 文章生成やコード生成などを行う機械学習システム) の進歩が、ここ数年の熱狂ほど速くなくなっているのではないか、という論考だ。Transformer (= 現在の大規模言語モデルでよく使われる基本構造) の伸びしろ、data wall (= 学習に使える高品質データが足りなくなる問題)、AI bubble (= AI企業への投資が実力以上に膨らむ状態) が主な論点になっている。

公式トーンは「AI業界の誇大広告を冷静に見る」という大義名分。具体的にやっていることは、OpenAI (= ChatGPTを作るAI企業) やAnthropic (= Claudeを作るAI企業) のような会社への期待、NVIDIA (= AI計算用GPUで強い半導体企業) への投資熱、そして現場の開発生産性をまとめて疑い直すことだ。

数字の大きな比較はファクトパック内には少ない。ただ、反応側では「AIツールを使った開発者が、予想では24%速くなると思っていたのに、実測では19%遅くなった」という話が出ている。期待プラス24%から実測マイナス19%。差分は43ポイントで、かなりきつい。

個人にとっての意味: 自分の動きにどう効くか

個人にとっての意味: 自分の動きにどう効くか

自分には直撃した。AIが遅くなる、というより「AIで全部が雑に速くなる前提」が危ない。英語圏の発表を読んで、良さそうなツールを触って、個人で小さいものを作る。この動き自体は続ける。ただ、見積もりだけは冷ます必要がある。

Claude Code Maxユーザー目線では、Claude Code Max (= Claude Codeを多めに使える上位サブスク枠) に期待するほど、待ち時間、レビュー時間、手戻りも増える。コード生成そのものより、仕様を小さく切る力のほうが効いてくる。正直、これは様子見というより運用修正だ。

個人 builder 目線では、機会もある。モデル性能が急に全部を解決しないなら、AIそのものより「AIを使った業務の整え方」に価値が残る。小さいSaaS (= 月額課金型のソフトウェア) や社内ツールは、派手な自動化より地味な入力削減のほうが売りやすい。

ノーコード系AI副業狙い目線では、罠がある。Lovable (= プロンプトからWebアプリを作るAI開発ツール) やBolt (= ブラウザ上でアプリを作れるAI開発ツール) で画面は作れても、保守、課金、権限、バグ対応で止まりやすい。作れることと売れることは別物だ。

community_reactionsでは、AI-native SaaS builderがHN議論を整理し、性能の逓減、data wall、Transformerの頭打ちを見つつ、アプリ層の採用は続くと見ていた。これは納得感がある。基盤モデルが鈍っても、使い方の市場はすぐ消えない。(https://x.com/skyrain888/status/2064065086940168702)

もう一つ、AI支援開発者が期待より遅くなったという反応も重い。自分の実感でも、プロンプト、レビュー、待ち時間で吸われる日はある。ここでの保留判断は、「高いツールを足せば勝手に速くなる」と考えないことだ。(https://x.com/arvidkahl/status/1943360410700193830)

明日からのアクション: これを糧にするには

明日からのアクション: これを糧にするには

  • すぐやる 今週中にCursor Pro ($20/月) かClaude Pro ($20/月) のどちらか一つで、同じ小機能を2時間だけ作り、手作業との差をメモする。
  • すぐやる 明日までに、Lovableの無料枠かBoltの無料枠で1画面だけ作る。完成品ではなく、どこで詰まるかを0円で確認する。
  • 検討 2週間以内に、Stripe (= 決済を入れるサービス) を使う前提の小ツールを1個設計する。料金はまず$0、課金実装は売る相手が見えた後でいい。
  • 検討 月末までに、ChatGPT Plus ($20/月) とClaude Pro ($20/月) の片方だけを残す前提で、文章、調査、コードの3タスクを比べる。
  • 保留判断 Claude Code Maxのような上位プランは、今月は契約前に止める。週5時間以上コード生成に使う見込みが出てから、月額に見合うか見る。
  • 罠の回避 48時間以内に、AIで作ったアプリへ認証、決済、DB権限を一気に入れない。Supabase無料枠などで、まずデータ1種類だけに絞る。
  • すぐやる 逆張りの機会として、今週中に「AIで作ったが直せない人」向けの修正代行メニューを考える。最初は1件5,000円からで十分。

今回の記事は、AIを捨てろという話ではないと思う。自分の解釈では、AIに賭ける前に、AIなしでも売れる小さい痛みを見つけろという警告に近い。道具の性能が鈍るなら、雑な期待値を削って、検証の回数を増やすしかない。